「出張が多くて、行けない週があると崩れてしまう」。これも、よくうかがうお悩みです。多くの方は「メニューがないから崩れる」と考え、道具なしの運動を探します。けれど、出張で本当に失われるのはメニューではありません。**その日の自分をどう扱うかという「判断」**です。今日は、メニューより一段上の「決め方」をお伝えします。
メニューはもうある。足りないのは「判断」
「ホテルでできる15分メニュー」は、検索すればいくらでも出てきます。スクワット、腕立て、プランク——正しく、よくできた内容です。それでも出張で崩れる人が絶えないのは、メニューが足りないからではありません。その日の自分に、それをやるべきかを決める人がいないからです。
AURUM の一回は、運動そのものより前に、その日のコンディションを読んで「今日やること」を決める工程から始まります(睡眠・疲労・前回からの変化を確かめる時間です)。出張先で崩れるのは、この判断役が不在になり、多くの人が「全部やるか、ゼロか」の二択に落ちるからです。
渡すべきは、メニューより「決め方」
だから AURUM が出張の多い会員にお渡しするのは、一枚のメニュー表ではありません。移動の状態に応じて「動く・整える・休む」を自分で選べる、判断のルールです。まず、その日の自分がどの状態かを見分けます。
| その日の状態 | サイン | 選ぶこと |
|---|---|---|
| 平常 | 睡眠がとれ、体が重くない | 動く(15分の全身メニュー) |
| 移動直後 | 長距離移動のあと、脚がだるい | 整える(ストレッチと呼吸5分) |
| 時差あり | 頭が重く、時間の感覚がずれる | 整える(光を浴びて散歩10分) |
| 深夜着 | チェックインが遅く、睡眠が最優先 | 休む(何もしない選択をする) |
大切なのは、「休む」も判断の一つとして正しく選べることです。できない日にゼロになるのは、休むことを「失敗」だと思っているからです。状態を見て休むのは、崩れではなく設計です。
「動く」を選んだ日の、15分メニュー
状態が平常なら、マット一枚分のスペースで十分です。以下を順番に、呼吸を止めずに。回数は目安で、きつい日は減らして構いません。
- 01
スクワット|15回×2
椅子に座るように、股関節から折りたたみます。膝ではなくお尻を後ろに引く意識で。
- 02
腕立て(膝つきで可)|10回×2
手は肩幅より少し広く。体を一枚の板のように保ちます。きつければ膝をついて。
- 03
ヒップリフト|15回×2
あおむけで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げます。腰ではなくお尻で押す感覚を探します。
- 04
プランク|30秒×2
肘とつま先で体を支え、まっすぐに保ちます。呼吸は止めません。

「整える・休む」を選んだ日にすること
- 移動直後は、ふくらはぎと股関節をゆっくりほぐす。眠りの質が変わります
- 時差の日は、朝いちばんに外の光を浴びて10分歩く。運動より、体内時計を優先します
- 深夜着の日は、迷わず休む。翌朝の一回のために、今日は睡眠へ投資すると決めます
整える・休むばかりの週が続いたら、意味がないのでは?
問題ありません。数日動かないくらいで、筋肉が大きく落ちることはありません。失われやすいのはリズムのほうです。出張前にご相談いただければ状態別の決め方をお渡しし、戻ってからの一回で読み直して、自然にペースへ戻せるよう設計します。
おわりに
出張は、体づくりの中断ではありません。必要なのは、もう一つのメニューではなく、今日の自分をどう扱うかを決める物差しです。あなたの出張パターンに合わせた「決め方」を、一緒に用意します。
Author

桐生 誠
AURUM ディレクター/フィットネスディレクター
外資系ホテルスパのフィットネスディレクターを経て、麻布十番の完全会員制パーソナルジム AURUM を主宰。多忙な人が「最小の時間で最大の変化」を得るための、質と回復を軸にした体づくりを設計している。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
体づくりのご相談は、体験セッションで直接お聞かせください。


